
15日(日)に見てまいりました 渋谷・コクーン歌舞伎「夏祭浪花鑑」の感想など書かせていただきます。
「夏祭浪花鑑」は1745年初演 並木千柳、竹田小出雲、三好松洛、合作の全九段の世話浄瑠璃です。
現在の歌舞伎の舞台では「住吉」「三婦内」「長町裏」の上演が多いそうですが 串田演出の舞台では 序幕「茶屋」から始まり、「住吉」「三婦内」「長町裏」と続き、幕間を入れて「団七内」から 大立ち回りとなります。
今回の舞台は このお話を1996年に串田和美演出、シアターコクーンで初演した舞台の再演になります。
再演と申しましても2回目ではなく コクーン以外に海外での上演もあり、かなりシッカリと練りあがった舞台での再演です。
また、今回は お辰、琴浦、礒之丞、の三役を 勘太郎丈、七之助丈、芝のぶ丈 三人で交代で演じます。
私が観劇いたしました15日は前半の配役で お辰:勘太郎丈、琴浦:七之助丈、礒之丞:芝のぶ丈 での上演でございました。
シアターコクーンの入口には‘くいだおれ太郎‘くんが太鼓を叩きながら お客を迎えておりまして(笑) ‘浪花‘からのメッチャ安易な発想のわりに(違うのかな?) これが人気なようで、私を含めまして(爆笑) 皆様、写真を撮っていらっしゃいました。(^^ゞ
また、場内はいつもの様に舞台に近い側が座布団桟敷席で 水がかかっても大丈夫なように前席と下手通路席にビニールが用意されております。
開演も一般の歌舞伎の上演の様に直しの柝で‘さて!これから始まりです‘っという感じではなく 開演数分前から客席内を役者さんが何気に歩き始め それとなく(笑)開演になります。
コクーンらしいと申しましょうか 串田氏得意の演出での始まりです。(^^ゞ
夏祭りの雰囲気の中で開演になりますと 祭りの衣装の‘若い者‘の役者さんが客席に混じって声をかけたり手拍子をしてイッキに場内を取り込みます。
この辺りも‘いかにも‘コクーン歌舞伎なのですが ‘若い者‘の皆様、3階席にもたくさんいらっしゃっておりまして 私の席のスグ隣で大きな声がしたので驚きました。(笑)
まず、勘三郎丈・団七九郎兵衛ですが もう手の内でございます。(^^ゞ
さらに 串田演出でチョット見には真新しい感触がある舞台ですが 勘三郎丈の団七を見ておりますと 周りの状況に左右されることなく、コッテリとした歌舞伎の団七が見えてきます。
ここだけの話ですが(^_^;) 逆に、歌舞伎座で特別な演出の無い 古典としての勘三郎丈の団七が見たいと思ってしまいました。(笑)
っと、申しますのは 20分の幕間までの勘三郎丈・団七の尖った雰囲気とか情、律儀さなど 内面、篤みがとても充実していて存在感があり 決まり決まりも大きく 幕開きすぐの喧嘩の勢いの良さ、「住吉」での義理堅い雰囲気と情、「長町裏」で義父・義平次を斬ってしまった時の「しまった」っという窮まった感じ など、演出では無い部分 役者さんの地力、芸の大きさがスゴク良いと思ったからです。
ですが、ここまでの充実した感触に比べまして 幕間後の大立ち回りは、演出はとても素敵でワクワクしてスゴイと思いますし 実際、私も含めまして客席は盛り上がり拍手も多いのですが 勘三郎丈は見た感じ、ケッコウ体力的にシンドイ様に見えました。
初演が1996年で この時の勘三郎丈に合わせた演出ですから 体力的にシンドクなってもしかたないのかもしれません。
橋之助丈・徳兵衛は大きさが増したような気がいたします。
時の経過の中でいろいろなお役をお勤めになられて 地力が付き幅ができたので、より篤みが感じられる徳兵衛になったように思います。
良い悪いは別として(笑) 物乞いをしていたにしては貫禄がございます。(^^ゞ
扇雀丈・お梶、彌十郎丈・三婦もやはり手の内で かつ、大きさが増したように感じました。
安心して見ていられる感じです。
で、笹野氏・義平次が やはり良いです。
ムチャクチャ暑苦しい貧欲な感触がなんとも言えず良いです。(笑)
ですが、歌舞伎に無いリアルさが それゆえ良いのですが、周りと違った雰囲気を感じさせてしまいます。
これは、しかたのないことなのでしょう・・・。
今回、私が前半のチケットを購入いたしましたのは 勘太郎丈のお辰が見たかったからでございます。
多少、大きく見えてしまうところもございましたが 全体には世話物の‘軽妙な粋‘を感じさせるお辰で キッパリと決まったところは、気持ちのしっかりした強さがあり良いと思いました。
ですが、色気がイマヒトツかもしれません。
七之助丈・琴浦は無難な感じです。
ほか、芝のぶ丈が珍しい立役で磯之丞をお勤めです。
和の雰囲気があるのですが、思ったよりシッカリした(笑)磯之丞で良いと思います。
ですが、「三婦内」の芝のぶ丈・磯之丞は 前の「道具屋」で人を殺めている様にはチョッと見えませんでした。
このあたり 実際の上演は無いわけですが 経緯として、それゆえに玉島に逃れるわけなので 役の篤みとして感じられると良いと思います。
全体にはコクーン歌舞伎ならではの客席一体感のある舞台で 舞台と客席が共有する時間を生で体感する楽しさがございます。
これもコクーン歌舞伎おなじみですが(笑) 水しぶき避けのビニールなど、当事者の方も楽しいのでしょうが 周りで見ている方も、他人事ですので(爆笑)帰宅時の危うさなど思い巡らしケッコウ楽しかったりいたします。m(__)m
「長町裏」になる前に 一度、定式幕が引かれ 下座で繋いで、その間に客席の該当者の方がビニールの用意をするのですが ここの下座の繋ぎがとても素晴らしいです。
歌舞伎座でも同様に下座で繋いで舞台転換をすることもございますが 迫力、臨場感がまるで違います。
お話の流れに間があくことなく、気持ちが途切れません。
また、劇場がそれほど大きくないこともあり 音的に太鼓、笛 また、竹本などに迫力がございます。
幕切れ後はスタオベで これも、いつもの盛り上がり っというところでございました。(^^ゞ
スゴク盛り上がって楽しいのですが 土着の臭いと申しましょうか、‘貧‘と申しましょうか、小ズルイ感触と申しましょうか もともとのお話の底にある粘っこい感じはあまり無いかもしれません。
今時の渋谷発の「夏祭浪花鑑」でございます。
ちなみに・・・12:00開演で、1:40頃から幕間になり 20分の幕間の後、2:00頃から「団七内」が始まり 2:30頃に舞台後方の搬入口が開きます。(笑)
パトカーが入口に飛び込んでくる演出なのですが 搬入口外には見物の方が大勢いらっしゃっておりました。
該当時間に搬入口に居れば 最後の幕切れを見る事ができるかも知れません・・・。(爆笑)


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